心に残った映画の感想を残しています。
今日は、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督の映画『ヒトラー~最後の12日間~』です。
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もくじ
今こそ『ヒトラー~最後の12日間~』を観るべきだと思った
私は歴史が苦手な人間だ。
ヒトラーは、名前とユダヤ人大量虐殺のことを知る程度。
そんな私が、なぜ今この映画を観ようと思ったのか。
それは、今後日本でも戦争が再び起きる可能性があると認識するためだ。
どの国にもヒトラーは生まれる。
どの国もドイツになりうる。
日本も例外ではない。
平和な時代しか知らない私は、戦争がピンとこない。
しかし、ロシアとウクライナの戦争が起こったように、戦争は今も起き続けている。
だから、この映画を観て、実感しようと思ったのだ。
ネタバレ感想『ヒトラー~最後の12日間~』
ヒトラーの正義と二面性
ヒトラーには、ヒトラーの正義があった。
「ユダヤ人虐殺」
聞くに恐ろしいことも、正しいと信じて疑わない。
そんな彼を、多くの国民が信じ、命をかけて戦う。
なぜ人々は彼を信じたのだろう?
彼は身内には優しく、外野には冷酷だ。
ゆえに身内である国民にとっては、必要なことに聞こえてしまうのかもしれない。
これは、日本においても起こりうる。
そして全体を取り巻く空気感が、どんどん悪い方向へと向かっていく。
思考停止した国民はその恐ろしい方向へと一緒に進んでしまうのだ。
追い込まれた人間はどうなるのか?
この映画が魅力的なのは“最後の12日間”に焦点をしぼっている点だ。
敗戦濃厚となり、現実受け入れられないヒトラー、八つ当たりするヒトラー、疑心暗鬼になるヒトラー、自暴自棄になるヒトラー、精神の揺れ動きがえがかれている。
そして、支柱である彼の揺らぎは、周囲にも影響する。
裏切り、見切り、盲信、周囲の反応もまた様々である。
人間は追い込まれると、どうなってしまうのか?
“戦争による自らの死”が目の前に突き付けられた時、それは究極に追い込まれた状態だ。
「思考停止して酒をのみ、女を抱き、ドラッグにおぼれる人」
「最後まで戦いぬくことこそ美徳と、戦車に突っ込む者」
「敵に殺されるのは恥であると、自決する者」
「同じ国民同士で傷つけ、殺しあう者」
人間はこんなにも恐ろしい生き物なのか、そうさせるのが戦争なのか。
自分が同じ立場ならば、一体どうなってしまうのだろうか。
考えるだけで恐ろしい。